作詞:Miyabi(竹内まりや)/補作詞:竹内まりや/作曲:村松崇継
1.曲目の解説
「いのちの歌」は、2008年放送のNHK連続テレビ小説『だんだん』の劇中で生まれた楽曲です。主演の三倉茉奈さん・三倉佳奈さんが演じる姉妹ユニット「まなかな」による歌唱で知られ、そのメロディの美しさとあたたかさで多くの人の心をつかみました。
作詞はMiyabi名義で書かれており、竹内まりやさんの丁寧な言葉が、生きることの尊さや人とのつながりをやさしく描いています。のちに自身のセルフカバーでも大きな反響を呼びました。
「生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに
胸をよぎる 愛しい人たちのあたたかさ」
このフレーズに象徴されるように、日々のなかで見落としがちな小さな幸せや、誰かの存在のありがたさに、あらためて気づかせてくれる一曲です。
*作詞者:竹内まりや
1955年、島根県出雲市生まれのシンガーソングライター・作詞家。1978年に「戻っておいで・私の時間」でデビュー。都会的で爽やかなサウンドと、心に寄り添うような歌詞で幅広い世代から支持を集め、長きにわたって日本の音楽シーンを牽引しています。
代表曲には、
- 「元気を出して」:失恋を乗り越える女性の背中をそっと押すような名曲。薬師丸ひろ子さんへの提供曲としても知られ、自身でもセルフカバー
- 「駅」:中森明菜さんに提供し、その後自身も歌った切ない大人のラブソング
- 「シングル・アゲイン」「純愛ラプソディ」など、ドラマティックな恋愛模様を描いたヒット曲も多数
また、夫である山下達郎さんとのコラボレーションでも知られ、音楽界きってのおしどり夫婦としても有名です。
ドラマ終了後、歌詞のもつ力強さと温かさに共感する人が続出し、コンサートや卒業式、震災の追悼式など、さまざまな場面で歌われるようになります。竹内まりやさん自身も2012年にセルフカバーを発表し、改めてそのメッセージ性が注目されました。
**“生きていることの奇跡”、“かけがえのない命”、“大切な人への感謝”**を静かに、けれど力強く伝えるこの曲は、聴く人の人生の節目にそっと寄り添ってくれるような一曲として、今も愛され続けています。
*作曲者:村松崇継(むらまつ・たかつぐ)
1978年、静岡県浜松市生まれの作曲家・ピアニスト。4歳からピアノを始め、東京音楽大学作曲科を卒業。映画やテレビドラマ、CM音楽などを中心に活躍し、叙情的で美しい旋律に定評があります。
代表作には、
- 「ツナグ」:人の想いを丁寧に描いた映画を彩る、感動的な音楽が高く評価された作品
- 「8年越しの花嫁」「護られなかった者たちへ」:いずれも人間ドラマを深く支える劇伴音楽として注目を集めました
NHK大河ドラマや報道番組のテーマ曲も多数手がけており、映像と音楽の融合において確かな存在感を放っています。
「いのちの歌」は、後に村松自身によるピアノソロバージョンも発表され、器楽作品としても演奏される機会が多く、世代を超えて親しまれています。
心に染み入るような旋律と、言葉の力を引き立てる構成力は、村松崇継の作曲家としての魅力のひとつ。この曲もまた、音楽が持つ“寄り添う力”を強く感じさせてくれる作品です。
2.この曲を演奏した演奏会での様子
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3.最後に
サックスでこの曲を演奏するとき、私は“歌うように語る”ことを心がけました。
音の一つひとつが、言葉を持たないままでも心に届くように、聴いてくださる方の思い出や感情にそっと寄り添う演奏を目指しました。
「いのちの歌」は、何度演奏しても、そのたびに心があたたかくなり、静かに背筋が伸びるような気持ちになります。
聴いてくださったあなたの中にも、大切な人の顔や、過ごした時間の記憶がそっと浮かび上がっていたら――とてもうれしく思います。
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