「演奏家の仕事」と検索すると、次のような答えが出てきます。
・バンドや楽団の一員として、または個人で演奏会やコンサートなどで演奏する
・楽器のインストラクター
・スタジオミュージシャン
Edu Townあしたね
私が演奏しているのは主にクラシック音楽です。
サックスのために作られた曲を演奏することもあれば、他の楽器のために作られた曲を演奏することもあります。
そして、クラシック音楽は楽譜をもとに演奏家たちによって再現される“再現芸術”です。
作曲家が想いを込めて作った作品を、音楽家たちがそれぞれに研究して解釈し、音にして表現することで、聴いてくださるお客さまに届けます。
でも、2人として全く同じ演奏をすることはありません。
それはなぜか?
楽譜に書かれていることはあくまでも記号で、そこをどう解釈するかは演奏家によって異なるからです。
たとえば、
“Andante(アンダンテ) = 歩くような速さで”
歩く速さって、人によって違いますよね?
大体のテンポを数字で指定されていることもありますが、実際、そのテンポを歩く速さだなと感じるかどうかは、演奏家によっても違います。
じゃあ、なにが正しい演奏なの?
私は、演奏において“完全に正しい”というものはないと思っています。
いや、厳密には、楽譜上に書かれていることを解釈し、表現することにおいて、ですが…
学生時代、こんな話を友人に聞きました。
その友人は留学中で、とあるコンクールを受けるために日本に一時帰国していました。
そこでの結果に納得できず、審査員をされていた以前ご指導いただいていた先生に講評を求めたそうです。
そこで言われたのが
「君の演奏は、きっとその国では正しいのだろうし、僕もそう思う。ただ、日本ではそうではない」と…
つまり、国によって解釈も異なるということです。
では聴く側は、どう演奏を聴いたらいいのか。
楽しんでいただければいいと思います。
願わくば、実際にコンサート会場などで生の演奏を聴いて、その空気感も含めて楽しんでください。
誰がなにを言っても、あなたの感じたこと、それが全てです。
私は、コーヒーが大好きです。
家でドリップすることもありますが、ほとんどの場合、インスタントです。
そして、SNSをフォローしてくださっている方はご存知だと思いますが、スターバックスコーヒーも大好きで、1人でゆっくり過ごしたいときは1番にそこへ行きます。
エスプレッソも、ドリップコーヒーも、アレンジされたコーヒーもどれも好きです。
そのコーヒー。
淹れ方の技法はあっても、どういった方法で飲むのか…
場所は?アレンジは?お供は?
楽しみ方は人それぞれですよね?
音楽だって嗜好のもの。
だから、聴くことに関して、正解・不正解なんてないと思っています。
私が音楽を通して伝えたい、大切にして欲しいと思っているのは“感じる心”。
演奏に対して、好きだ、嫌いだ、感動した、気に食わない…
なにかを感じとっていただける音楽を演奏します。
演奏家のお仕事。
それは、演奏で感情を引き出すことだと、私は思います。
「演奏家のお仕事って? 」への2件の返信
なつみさんの考えが凄く良く分かるコラムだと思いました。
ありがとうございます。
この考えを文字にして公開するのが少し怖い部分があったので、とても嬉しいです!